『DONUTS USG』が『VARREL』にリブランディングし、豪華メンバーを揃えた2023年の『VALORANT』部門ロスターを発表しました。
『DONUTS USG』改め『VARREL』始動
チームのルーツは2015年創設のプロゲーミングチーム『Unsold Stuff Gaming』で、
2020年に『DONUTS USG』となり、今回『DONUTS VARREL』としてリブランディングが行なわれました。
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「VARREL」は、野球において長打になりやすい打球速度と打球角度の範囲を指す用語「BARREL ZONE」に、勝利を意味する英単語「VICTORY」を組み合わせた造語となっています。
『VALORANT』に注力していく意向で、国内のトップ選手を集めた2023年ロスターが発表されました。
Merry Christmas
STARTING
VARREL #VALORANT DIVRoster
-Zepher 【@z_6qq】
-Pepper 【@ow_pepper】
-HaReeee 【@hare_cs】
-PeroOwO【@peroqwq】
-SSeeS 【@SSeeS_S_S】Coach
-LiGeR 【@LiGeR_cs】 pic.twitter.com/DwnorySYOO— VARREL (@_VARREL) December 24, 2022
この新体制について、VALORANT部門コーチのLiGeR氏、マネージャーの大久保氏に質問をさせていただきました。
※ロスター発表や、国際大会の日本開催が決定する前にお聞きした内容となります
コミュニケーション重視・日本人5名構成を採用
―非常に豪華なメンバーで驚きました。2023年チームのコンセプトがあれば教えてください。
LiGeR:とんでもないメンバーが出てますよ今!!うおおおおおお!って感じですよね笑
自分としてもこれだけのメンバーが集まり一緒のチームで活動していけることが未だに信じられないという状況ではあります。
チームのコンセプトとしては全員が日本人でかつフィジカル的に他に劣らないチームというところでしょうか。昨今は2RUや2KR+3JPの編成で海外プレイヤーを入れることも少なくないのですが、どうしてもコミュニケーション面が問題になりやすい。大会開始までの期間が短いことや、これまでの経験を鑑みてこのような編成を取ることが望ましいと考えました。
―目標はChallangers優勝ということになると思いますが、チームの目標をぜひ教えて下さい。
LiGeR:仰る通りChallengers優勝が目標になってきますが、そのためにはSplit1時点である程度優秀な成績を残す必要があると考えています。しかし、チームは発足したばかりですからメンバー全員大急ぎで完成度向上に向けて励んでいます。
コーチによる選手紹介
―各メンバーの選定理由、役割、期待している点などをご紹介いただけないでしょうか。
Zepher
LiGeR:まずチームを作るタイミングで「世界を目指す」という部分を十分にコミュニティに示すために国際大会での経験が豊富で国内屈指のプレイヤーであるZepher選手をエースにしたいと思い選びました。
年齢もまだ若く爆発力があり、先陣を切ってチームに勢いをもたらすプレーを彼には期待しています。
その一方で前所属チームではポリバレントな一面も見せてくれており(※運営者注:様々な役割が出来るというような意味かとおもいます)、確実にVALORANTというゲームに対してのプレーの幅を広げつつ、成長を続けている選手ですので我々のチームの核となる選手になってほしいと考えております。
HaReeee
LiGeR:全体的にフィジカルで押せるという部分を強みにしていきたいと考えた時にHaReeee選手を選びました。
前所属チームのころから競技シーン初期よりDep選手(現ZETA DIVISION)と共にガンガン押していくプレーを何度も目の当たりにしていたので世界を目指す上で彼のようなプレイヤーはチームに必要と考えました。
少し競技シーンから離れていた期間もあったので戦術的な部分でのリハビリは必要ですが彼のポテンシャルを考えればマイナスになるものでもないと考えています。
Pepper
LiGeR:フィジカル的には申し分のない2名を獲得したときに彼らのポテンシャルを最大限発揮させるための司令塔が必要と考え、最強のブレインとしてPepper選手を選びました
競技シーン初期よりデュエリストをやりながらIGLをこなすなどその器用さは競技シーン全体を見ても群を抜いていましたが我々のチームではこれまで以上にチーム全体を動かし勝利に導いてくれるような存在になってくれるよう期待しています。
またVALORANT以前より他タイトルでも活躍してきており、そこで培った経験やノウハウなどを全体的に若いチームに伝えてほしいと考えています。
もちろんPepper選手単体で見たときの力強いプレーも存分に発揮してほしいです。
PeroOwO
LiGeR:上述の3名はチーム組成段階でほぼ決まったのですが残りの2人に関してはトライアウトを1ヵ月間実施し、その中から最終的に選びました。
まずPeroOwO選手に関してはプロのアカデミーチーム以外はほとんど経験がないながらにこれまではゲーム内コンペティブや独学で学んで成長してきたプレイヤーです。
まだまだ粗削りな部分はありますが元々持っているポテンシャルは素晴らしく、今後の日本VALORANT界を背負っていく存在になってくれると思います。
SSeeS
LiGeR:最後に決定したのがSSeeS選手でした。
PUBG時代は日本代表として何度も世界大会に出場しており、このチームにおいて最もプロキャリアの長い選手です。
昨年VALORANTにチームごと転向してきたばかりですがとてつもない成長速度で上手くなっています。
これもひとえにSSeeS選手がこれまで幾多の経験を積んできているからこそ成せるものだと考えており、彼の成長がチームの命運を握ると言っても過言ではありません。
若い選手が多いのでプロ選手のメンタリティという部分をeスポーツ黎明期から活動してきたSSeeS選手には伝えていってほしいと考えています。
2023年シーズンに向けた練習状況
―現在、すでにチーム練習はスタートしていますか?差し支えない範囲で教えていただけるとうれしいです。
LiGeR:すでにチーム練習はスタートしていて大体1日あたり9~10時間練習しています。
活動が終わってからも選手はランクや個人視点の見返し、コーチは翌日の準備や研究などしているので少なくても全員毎日12時間はVALORANTに触れているでしょうか。
0からスタートしたチームなので現時点では問題点も多く、日々試行錯誤しながら一歩一歩前に進んでいます。
―現在はオンラインでの練習がメインかと思いますが、ブートキャンプ、ゲーミングハウスなど、オフラインでの練習も実施予定でしょうか。
LiGeR:現時点ではオンライン練習のみなのですが、年明けからブートキャンプを実施する予定です。
効率よく練習をするためにオフラインでの練習は必要だと考えていてチーム側に無理を言って用意していただいた形です笑
リブランディングした「VARREL」がVALORANTにフォーカスする理由
―このVALORANT部門が、新体制のメインとなる部門だとお聞きしました。VALORANTというタイトルを非常に重要視しているということでしょうか?
大久保マネージャー:仰る通りで新チーム”VARREL”においてこのVALORANT部門は旧Unsold Stuff Gaming時代からの歴史を紡いできてくれた先人たち、そして未来へ向けた大きな挑戦の1つになると確信しています。
VALORANTにフォーカスする理由としてはいくつかあります。
1つ目は「VALORANTが見るeスポーツとして最適であるということ」です。
ここに関してですがVALORANTの魅力は従来のタクティカルなFPSの部分とエンタメ受けしやすい個性的なキャラクターの融合にあると考えております。上記の融合によりこれまではeスポーツに触れてこなかった層を取り込むことが出来、その結果、今年のZETA DIVISION様の歴史的快挙とそれに伴う熱狂、RAGE様を主体とした国内VALORANTシーンの盛り上がりに繋がったと考えております。また大手ゲーム配信者様などがウォッチパーティーや自らプレイすることによってVALORANTの魅力を発信してくれたこと、競技シーンで戦う選手達が積極的な配信活動を行ってくれている賜物だと考えております。
2つ目はパブリッシャーであるRiot Games様の競技シーンに寄り添った取り組みの数々です。
Riot Games様は過去にもLeague of Legendsというタイトルでeスポーツコミュニティに寄り添った活動を長年に渡って行ってきている経験も相まってか、本当にファンの方々を中心としたオーディエンスが熱狂出来るようなコンテンツを年中絶え間なく用意してくれています。また、それと同時に最も「eスポーツプレイヤー」という職業に寄り添ったeスポーツ企業であるとも考えております。それが形となっているのがRiot Games様より発表された2023年以降の長期的なVALORANTの計画にも反映されていると考えています。
3つ目は日本のVALORANT競技シーンが全ジャンルの強豪eスポーツチームを集めて行う総合格闘技のようなものになっているところです。
言葉の通りで申し訳ないのですがこれまでは「〇〇の競技シーンではあのチームが強い」と呼ばれるチームがタイトルの数だけ乱立しているイメージがありました。しかしこのVALORANTにおいては各タイトルの覇権を持ったチームが軒並み参入し「どのチームが一番強いのか決めようぜ」と言わんばかりにギリギリの勝負の数々でしのぎを削っているという部分に熱さを感じます。故にこのVALORANTというタイトルで結果を出したチームが2022年現在の日本eスポーツを牽引する存在になっているのは言うまでもないでしょう。
2023年にこのタイトルで結果を出し、躍進するのが我々VARRELであれば最高ですね。(笑)
他にも挙げ続けたらキリがないのですがVALORANTが多くの方々の人生を豊かにしているというのは確かです。
マネージャーは元Novagis Gamingのオーナー
―チームの話からそれますが、大久保さんはNovagis Gamingのオーナーをされていたとのことで、個人的に興味深いと思いました。異なる立場でチームに関わる事にした理由や想いなどあればお聞き出来ないでしょうか。
大久保マネージャー:元々、自分がプレーしていたスポーツジャンル(サッカー)のeスポーツタイトルで大きな組織にしようと思い、Novagis Gamingを学生の頃に立ち上げました。
FPSに関しては一切触れたことがなく、リリース当時VALORANT部門を作ったのも「今後伸びるタイトルだから」という安直な理由且つ計画性皆無だったのですが、その当時チームに加入してくれた選手達がどんどん成長し、日本のトッププロチームを倒していき結果的にその後のStorks Phalanx結成に繋がっていきました。
オーナーとしてほとんど活動の手助けしてあげれず当時は悔しい思いをしたのですが、逆にVALORANTやeスポーツの素晴らしさを教えていただきました。その後は一度eスポーツから離れた時期があったのですが、ご縁がありDONUTS USG(※当時の名称)に加わることを決心いたしました。
―いまではたくさんのeスポーツチームがありますが、その中でDONUTS USGを選んだ理由はありますか?
大久保マネージャー:DONUTS USGに加わった理由はeスポーツコミュニティで歴史があり、且つDONUTSという様々な事業領域で日本をリードする企業とタッグを組み、業界の垣根を超えた新たなチャレンジが出来ると考えたからです。DONUTS USGでは私自身これまでストリーマー部門の担当をさせていただき元オーバーウォッチリーガーのEFFECT選手を迎え入れるなど、これまでやってこなかったような新たな挑戦を続けてきました。そんな中で今回のVALORANT部門結成のチャンスが巡ってきて迷わず挑戦してみることにしました。
客観的に見たら「DONUTSという巨大な資本を得たeスポーツチーム」という見え方もするかと思いますが実情はまだまだ未熟な部分だらけで選手スタッフ共々これから成長していかなければならないeスポーツチームだと思っています。
今後は“VARREL”という全く新しい名前で様々な分野においてeスポーツ業界の最先端を行くチーム及び企業になっていければと思うのでより多くの方々に知っていただき応援していただければ幸いです。
2023年シーズンに向けて
―2023年シーズンのChallangersへの意気込みをお願いします
LiGeR
USG改めVARRELは2023 Challengers Japan優勝を目指し頑張っていきます。
新星VARRELの応援をよろしくお願いいたします!