【TFT】ワーウィックとスタティック・シヴの現状についてRioterが長文を投稿した

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要約:こういった間違いがなくなることはないだろう。すまない。

さて、TFTはシステム的にも相互に繋がっており、それ故に最も複雑なゲームの一つだ。計算と、その挙動の連続で文字通り何十億通りもの順列と組み合わせがある。そして、多くのゲームとは異なり、ゲームのバランスを取るときに1つ大きな難点がある。ゲームのすべてのパーツ(シナジー、チャンピオン、アイテム)が、ゲームそれ自体であるということだ。一度に10人のチャンピオンしかおらずBANもできるLoL、一度に2人しかいない格闘ゲーム、あるいは一部のカードしかないTCGなどと比較してみてほしい。それらのゲームで、何かがパワー不足だったり、逆にOPになっていても、その影響はTFTのように圧倒的でインパクトのあるものにはならない。TFTでは、1人の弱いチャンピオンがシナジーを潰してしまったり、それしか引けなかったことでゲームすら潰されてしまったり、結果ゲーム体験を完全に潰してしまったり……。「全て」を完璧にしないと、ゲームがバラバラになってしまい、特にこういったことに気付いていない無知なプレイヤーにとって、最悪の体験となってしまい。理論上はうまくいくはずなのに、バランスが悪かったせいでうまくいかなかった、そういった経験を一度するだけで、プレイヤーを失うことになるのだ。

そういった複雑さを念頭に置きつつ、我々のチームがどれだけ小さいかも考えると、改善されてきていると誇りに思う。例えば、「ギャラクシー」のローンチ(流れ者……笑)と「宿命」のローンチを比較してみると、多くのものを実行可能で面白いものにしようと努力し、改善していることがわかると信じている。「宿命」のローンチは本当にうまくいった! でも、やはりゲームは複雑で、一つ一つのピースが重要だから、まだ「多く」の問題があった。多くのアイテムは基本的に、絶対に作ってはいけない罠(ルーデンエコー)であり、いくつかのチャンプは選ばれし者が出ても使わず、シナジーを発動させるのみだ(ダズラーで選ばれたリサンドラを使う人?)。だから、ローンチ後はライブチームがセットを改良し、最初に望んでいたように機能しなかったものを改善していくことになる。課題は(今でも!)たくさんだ。

そのため、デベロッパーとして我々は何十もの問題と、それらの問題についてのプレイヤーの受け止め方を見て、それに対処しなければならない。いくつかは、チャンピオンがちょっと弱いとか、ちょっと強いとかのような些細なことだ(10.19のセトはOPだったし、10.19のJaxは弱かった)。ここで、どの程度、どのくらいの頻度で、そしてどの程度変更すべきかという古くからの議論が出てくる。後から言うのは非常に簡単とはいえ、実際に注意を払ってみれば、我々の行ってきたこと、そしてそれぞれの長所と短所(うまくいったアイテム、そうでなかったアイテムなど)が分かるだろう。問題を完全に解決できるような手段はないのだ。

例えばパッチ10.20を見てみよう。特に軽めで、非常にマイナーな変更を行ったパッチだった。スタティック・シヴはダメージが5上昇し、ルーデンエコーのダメージは180から200になり、6ダスクは15のスキルパワーを失った。ダスクの変更はまさに必要なもので、これでOPからかなりバランスのとれたものになった(リヴェンのナーフも伴って)。しかし、ルーデンエコー、スタティック・シヴには何もなかった。これらはまだ実戦級にはならなかったのだ。こういったことはすべての変更に当てはまることで、時には軽い変更で十分とされることもあれば、大きな変化が必要こともある。それを見分けるのは簡単ではない。そして、プレイヤーは物事が「即時に」そして「迅速に」修正されることを期待している。「ダズラーがまだこのままだなんて信じられない、ゴミじゃん」とか、「ニンジャとかネタじゃん、なんでまだ変更されてないの?」というのは、よく耳にする話だ。実際それは事実であり、修正する必要がある。

10.21に入って、もう一度スタティック・シヴとルーデンエコーを見てみよう。軽い変更ではこれらのアイテムが直らないことは明らかだった。例えば、ルーデンエコーのダメージを250に跳ね上げることもできたが、あまり変わらなかっただろう。大きな変更を加える時が来たのだ。シヴについては論文を一本書けるほどだが、手短に済ませようと思う。基本的にベースダメージが高すぎると、序盤を支配してしまう(セット1、2を思い出してくれ)。逆に重なることによるスケーリングに頼りすぎると、リロール構成を促進してしまう(ザヤが分かりやすい)。そこで、ベースのダメージが低めなので序盤を支配することはないが、条件付きでゲーム後半までスケーリングするので無駄にならない、というデザインを試してみた。最終的にはルーデンエコーの変更は成功した! 使い道が生まれたし、構成に合う場合にもある! さて、シヴはもっと厄介だ。このアイテムは「少し」強く調整されているが(175→160?)、カリスタやアッシュ、グインソーヴェイン☆3のようなチャンピオンにおいてやりすぎているわけではない。この場合、明らかに我々はワーウィック、そしてフィアーとの相互作用を見逃していた。そして、これはこのゲームがいかに相互作用しているかを示す素晴らしい例にもなるだろう。ここにこんな恐ろしい事案があるからね。

新しいディヴァインとワーウィックがOPになっているとは思っていない(シヴなしで4~6ディバインが勝ったゲームがあるなら、俺のところに送ってくれ!)し、シヴがワーウィック以外のチャンプに対してアウトだとも思わない(5~10%は強すぎたかもしれないが)。しかし、この2つの組み合わせは明らかにラインから外れている。結果、これをいかに解決するか……という点で面白い状況になっている。もしシヴをバフしなければ、このアイテムは死んだままだっただろう。もしディヴァインをバフしなければ、このシナジーは死んだままだっただろう。

そして、これらはすべて、どのセットでも6~8パッチしかないという事実と結びついている。すべてを修正してバランスを整えるべきだ、というプレイヤーの期待に加えて、過負荷を避けるために一度のパッチであまり多くの変更を加えることはできないという制限のため、非常に難しい状況に置かれているのだ。また、ある構成を「プレイ不可」なものにしてしまうと、プレイヤーはすぐに離れてしまうということも時間をかけて学んできた。もし誰かがベイガー構成を愛していたとしても、それがプレイ不可能になってしまえば、その人たちは辞めてしまうかもしれない。それ故、過度なナーフをしないように細心の注意を払わなければならないのだ(今回の場合、ベイガーはまだ頑張れるけどね!)。

まとめると、調整しなければならないことが「たくさん」あるということだ。そして時々、我々は間違えることになるだろう。正直なところ、10.21のような大きなパッチにおいて、1つしか(ワーウィック、ディヴァイン、シヴの相互作用)間違っていない、という事実は良い状況とも言える。

さて、時々間違えることがあるということは分かっているから、そのダメージを和らげるために何らかの対策を行うこともできる。

  • 必要に応じて、2週間も悪い環境でプレイすることのないよう、頻繁にBパッチを適応しても構わないと思っている。何度も言っているし、ここでも言うが、ワーウィックとシヴの問題のために、今週は基本100%の確率でBパッチが入る。
  • 公開的に、コミュニケーションを取ろうとも思っていることから、我々の思考プロセスは誰にでも見ることができる。Patch Post-Mortemのビデオ、解説付きのメモ、懸念事項について直接質問したり、話したりできるPBE配信……。これはフェアなトレードだと思っている。

最後に2つの考えを述べて、この長い投稿を締めくくりたい。まず、後から振り返ってみて、「彼らはああすべきではなかった」と怒りを覚えるのは簡単なことだが……事前に判断を行うことは本当に難しい。見つけられる限り「全ての」パッチ解説を見たし、全てのチャレンジャーと話もした。例えば、GV8はソラリのロケット、力の聖杯のHotfixを予測していた。もしパッチノートを読んでワーウィック+シヴが壊れそうだと分かった人がいたら、その証拠を送ってくれれば表彰するよ! ……とはいえ、こういったことが起きた後に呼びかけても、印象的でもないし助けにもならないだろう。toxicなDMや投稿を貰う前から、痛々しいほど気づいてはいたのだ。

最後に、「本当に恥ずかしいことだ」と言う人もいるが、これには大きく反対するつもりだ。このゲームの規模と複雑さを考えれば、TFTに携わっている人たちは、自分たちの仕事に誇りを持つべきだろう。彼らは、ゲームを素晴らしいものにするために多大な努力をしているし、うまくいかない時にはすぐに対応し(1週間では足りないと言うなら、何と返したものか)、自分のミスを率直に共有して認めている。私はTFTチームを誇りに思っているし、恥ずかしいとは思わない。
 

翻訳元: reddit

 

翻訳者: おおきいルル

 

管理忍

複雑系でござる。

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Source 【TFT】ワーウィックとスタティック・シヴの現状についてRioterが長文を投稿した https://lolninja.net/2020/10/19/23421/