【LoL】アメリカ人アナリストが分析するWorldsで勝つためのLJLチーム

皆さん、こんにちは。Joushiです。
今日は、LJLがWorldsで勝つためのドリームチームはどのようなものになるのか、チームビルディングの観点から考えてみます。


LJLドリームチームを考えてみる

先日、ツイッターで質問を投稿した。LJLのロスターでWorldsを制覇しようとするなら、一体どんなロスターになるのだろうかと言うものだ。

この問題を検討するためには、いくつかの基本的なルールを定めておかねばならない。

  1. 外国人選手は2名までとする。
  2. 2020年のLJLでプレイした選手に限定する。
  3. これは人気投票ではないので、個人的な好き嫌いで決めない。

では、Joushi Esportsのロスターは誰なのかを答える前に、いくつかの理論を提示し、検討のレンズとして使用したいと思う。

理論その1 有限リソースの有効分配

第一の理論はシンプルなものだ。マップ上には経験値とゴールドという有限のリソースがある。それを最も効果的な方法で分配しなくてはならない。各選手は投入されたリソースの大きさに沿って緩くプロットすることが可能であり、リソースを多く必要とする選手が5人いるチームでは、実際に運用が難しくなるだろう。完全に同一視することはできないが、各選手はプレイするロールに関係なく、「キャリー」と「サポート」の2つに大きく分けられるだろう。「キャリー」は活躍するために多くのゴールドと経験値が必要な傾向がある。その反対に、「サポート」は少ないゴールドと経験値でも活躍できる傾向があり、大量のゴールドと経験値を追加投入しても、その分が活躍に影響することはほとんど無い。

理論その2 キャリーソロレーナーとジャングラーを核としたチーム構築

第二の理論は説明は簡単だが、実際に行うのは非常に難しい。最も効果的なロスターを構築するためには、まずソロレーナーとジャングラーを選び、彼らがどのようにプレイしたいかを決定し、彼らを中心に残りのロスターを構築する必要がある。理想的には、このソロレーナーは強力なキャリープレイヤーで、与えられたリソースが多いければ多いほど活躍する。ジャングラーは、キャリーでもサポートでも良いが、このソロレーナーが望むようなプレイをしなければならない。

なぜキャリーはボットレーンデュオではなく、ソロレーナーなのか?答えは単純で、ソロレーナーは1人だからだ。経験値を共有しないため、ADCの同等のゴールドだけでなく、より多い経験値を獲得できる。

では、以上のことを踏まえて、いくつかのチームを簡単に検討していこうと思う。

2015年のFnaticに見る理想形

リーグ・オブ・レジェンドの歴史の中で、最も成功した例から始めよう。HuniとReignoverのFnaticだ。

Fnaticに加入する前は、Huniは事実上無名の選手だった。2015年にFnaticに加入してからは、春のレギュラーシーズンで2位、春のプレーオフで1位、MSIで3位、夏のレギュラーシーズンで無敗、夏のプレーオフで優勝、そして、Worlds 2015で3位を獲得した。

その後、HuniとReignoverはNAでまずますの成績を収めたが、Fnatic所属時と同レベルの成功を再現することはできなかった。Immortalsを去った後のReignoverのキャリアは印象に残るものではなく、Huniはリーグ・オブ・レジェンド史上最高の選手が名を連ねていたSKT T1に所属していた時のみ、同じような結果を再現した。

簡単に言うと、Febiven、Rekkles、Yellowstarは皆良い選手だが、Peanut、Faker、Bang、Wolfとは比べ物にならない。Pobelter、WildTurtle、Adrianは、個人レベルではFnaticのロスターに匹敵するだろう。

私が強調したいのは、チームが採用したプレイスタイルの違いだ。HuniはFnaticのメインキャリーとして認められていた。一方、FabivenとRekklesはあまりジャングラーの支援を受けず、自給自足を行っていた。

その反対に、2015年のEU LCSでAllianceからリブランドした直後のチームであったElementsは、その年に、Rekklesを獲得した。誰もが前任ロスターであるTabzzよりも強い選手だとRekklesのことを信じていた。しかし、チームはEU LCS 2014の夏のプレーオフの優勝という輝かしい結果から、一気に7位まで転落してしまった。なぜ選手をアップグレードしたのに、こんなに悪い結果になってしまったのだろうか。

選手の技量が、第一の決定要因では無いからだ!

2020年のLJLサマースプリットの例

LJLの2020年のサマースプリットを見ても分かるだろう。紙の上では、DetonatioN FocusMeとSengoku Gamingがベストな選手を揃えている。しかし、どちらもV3 Esportsに負けてしまった。選手個人の技量だけでは、判断できないのだ。

DetonatioN Focus Me

簡単に言うと、DFMのロスターは、LJLの歴史よりも長い間、CerosとYutaponのコンビを中心に構築されてきた。チームがCerosを中心に構築され、ジャングラーのStealがCerosの望むプレイをサポートしていることを我々が受け入れるならば、チームはかなり上手く機能していると分かるだろう。トップレーンもボットレーンも信じられないレベルで自給自足しており、メインキャリーであり、ゴールドと経験値の主要な受け皿でもある。DFMは長年に渡り日本の競技シーンに君臨し続けてきた。2020年の敗北は、2018年以来、約2年ぶりの出来事である。このモデルは明らかに機能していると言えるだろう。しかし、DFMはWorldsの舞台ではあまり競争力がない。私は、その大きな理由は、選手個人個人の技量に問題があるからではないと推測している。

Sengoku Gaming

また、SGは莫大な資金を投じてBlankとPireanというスター選手を輸入し、DFMにはない国内最高の才能を獲得したチームである。しかしSGは、2020年のLJLサマースプリットプレーオフで、DFMに3-0、V3に3-1で負けた。最も大きな問題は、SGがチームのアイデンティティを持っていないことである。SGの選手はみんな、全員が、多くのリソースを要求している。彼ら一人ひとりは、非常に才能のある選手なのだ。しかし問題は、漠然としたレベルでコーディネートされたチームにさえ、個人の技量で遥かに圧倒していない限りは、負けてしまうということだ。

V3 Esports

V3は、非常に明確なアイデンティティを持っている。BugiとArcherを中心にチームが構成されており、2人とも多くのリソースを要求するが、強力なキャリーである。Paz、Ace、Rainaは、BugiとArcherを支援するために多くのことを犠牲にしている。選手一人ひとりの技量では、DFMやSGに勝っていないと思うが、基本的なゲームプランを共有している選手同士が上手く連携しているので、強いチームに対してもなんとか乗り切ることが出来ているのだ。

Joushi Esportsが考えるWorldsで結果を出せるLJLのロスター

では、これらすべてを念頭においた上で、キャリーミッドレーナーとサポートジャングラーを中心にしたLJLチームを一緒に考えていきたい。トップかボットのうちどちらかは、中〜高リソースを必要とするポテンシャル・キャリー(セカンドキャリー)として考えることにする。

チームの柱を構築するためには、ミッドレーンから始める必要がある。その場合、選択肢は2つしか無い。「そうではない」という方がいたら、私は戦ってみせるつもりだ。その2つの選択肢とは、AriaDasherである。

AriaとDasherは、2019年と2020年を通して、非常に似たようなレーニングスタッツを持っている。2020年に関しては、Ariaの方が彼を中心によりよいチームを築いていたと私は思う。春にトップをプレイしていたDasherとは異なり、ずっとミッドでプレイできたことも有利だった。Dasherは夏のプレーオフでAriaを破った。

私は個人的にDasherの大ファンではあるが、それを考慮しなくても、Dasherのオールマイティなチャンピオンプールは非常に魅力的だ。よって、私はDasherを選ぶ。

Dasher

では、次の基準だ。2v2でミッドレーンをサポートし、ミッドレーナーに力を与えるためのリソースを運んでくれるサポーティブなジャングラーは?

ここではSteal以外の選択肢はない。BugiとBlankはグリーディー過ぎるため、チーム全体を弱体化させてしまうだろうから、サポーティブなサイドレーンを選ばざるを得なくなるだろう。

Steal

次は、トップサイド重視でプレイするか、ボットサイド重視でプレイするかを決定しなければならないが、外国人選手枠が既に使用されているなら、次のような選択肢が考えられる。

トップ: Evi、Paz、apaMEN
ボット: Yutapon、Yutorimoyashi

EviがPazやapaMENよりも優れたトップレーナーであることは分かっているが、Yutaponと一緒に組ませることはできない。もしそうなると、有限リソースをトップ、ミッド、ボットで奪い合う事態が発生してしまう。また、apaMENはチームのケアが少ない弱いサイドで戦うことがそれほど上手ではない。一方、Pazは弱いサイドで戦うことが上手だ。

したがって、我々はEvi + Yutorimoyashiか、Paz + Yutaponから選ぶ必要があるだろう。EviとPazの差は、YutaponとYutorimoyashiの差よりも大きいと思うので、私はEvi + Yutorimoyashiのペアを選択するだろう。

Evi

Yutorimoyashi

あとはサポートだ。外国人選手枠を既に使用したので、我々の選択肢は現実的に、Enty、Raina、viviDとなる。

YutorimoyasiはRainaとは実際にプレイしたことがないし、統計的にはviviDの方がパフォーマンスが良かったので、正直言ってそれが私にとってviviDを選ぶ決め手になった。それ以外の点では、どちらか一方に有利な圧倒的な議論をするほどの大きな差はないと思う。正直なところ、どちらの意見にも納得できるだろう。

viviD

では、全体的にチームはどのようになっただろうか。ご紹介しよう、Joushi Esportsです!

トップ: Evi
ジャングル: Steal
ミッド: Dasher
ADC: Yutorimoyashi
サポート: viviD

 

注意していただきたいのは、私が個人的に各ロールの最高の選手だと思う選手を選んだのではないということだ。彼ら一人ひとりは、全員非常に優れた選手だが、圧倒的に支配的というわけではない。その代わり、一貫して自分たちの強いトップサイドに向かってプレーすることができるチームであり、ボットレーンは比較的少ないゴールドを保持しながらもプレッシャーによく耐えてくれると思う。

 

私は、日本には十分な才能がなく、強い選手がいないという考えを否定している。
ただ、現在のロスターで上限に達したDFMにロックアップされているだけなのだ。

 

本記事の英語版執筆者であるJoushiことJoshua Howardは、アメリカ合衆国ワシントン州シアトルを拠点とする解説者、アナリスト。高校生からアカデミーのプレイヤーまで、あらゆる人をプロプレイヤーのように感じさせることをモットーとしている。

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管理忍

来年も応援するでござる。

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